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内部不正対策とは?企業が今すぐ始めるべき取り組みと対策法

  • FuvaBrain
  • 2 日前
  • 読了時間: 12分

内部不正対策とは?企業が今すぐ始めるべき取り組みと対策法

近年、企業における情報漏洩や資産の不正利用といった「内部不正」が深刻な問題となっています。外部からのサイバー攻撃と同様に、社内から発生する不正行為は、企業の信用・経営・法的リスクに大きな影響を与えかねません。特にテレワークやクラウドツールが一般化した現在、社内のアクセス状況や操作履歴を正確に把握し、内部不正を未然に防ぐ体制構築が急務です。


この記事では、「内部不正対策とは何か?」という基本的な定義から、企業が取り組むべき実践的な対策、さらには内部不正対策ができるツール活用法までを、初心者にもわかりやすく解説していきます。

目次

■内部不正対策とは?

内部不正対策とは、社員や関係者による不正な情報漏洩や資産の持ち出し、システムの不正利用などを防ぐための施策全般を指します。外部攻撃と並び、企業に深刻な損害を与えるリスクとして近年注目が高まっています。

内部不正の多くは、企業内部に信頼されてアクセス権限を持つ人物によって引き起こされるため、発覚が遅れたり、被害が拡大したりするケースが少なくありません。したがって、技術的な対策だけでなく、組織的・人的な観点からの多層的な取り組みが求められます。



■なぜ内部不正対策が必要なのか?リスクと背景を解説

近年では、働き方改革やテレワークの普及により、社外からも業務システムにアクセスできる環境が整いました。しかし、これにより「誰が、いつ、どこで、何をしたか」の管理が難しくなり、不正行為が発生する余地が増えています。「情報セキュリティ10大脅威2025」では、内部不正による情報漏洩が4位にランクイン。10大脅威としてのランクインは10年連続10回目となります。


※出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025


また、テレワークの普及が顕著だった時期には、株式会社東京商工リサーチが集計・公表している、2023年「上場企業の個人情報漏洩・紛失事故調査」においても、「不正持ち出し・盗難」は前年の2022年調査から約5倍に増加しており、内部不正が増加の傾向にあることが分かります。


※出典:株式会社東京商工リサーチ「2023年の「個人情報漏えい・紛失事故」が年間最多 件数175件、流出・紛失情報も最多の4,090万人分」 https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198311_1527.html


その他、経済的なストレス、評価への不満、人間関係の悪化といった心理的要因が引き金となり、悪意ある行動に発展する場合もあります。内部不正のリスクは企業規模を問わず存在し、情報漏洩・信用失墜・損害賠償など、経営に大きな影響を与える恐れがあります。



■内部不正の主な手口と発生しやすいケース

内部不正は、動機や機会、正当化の3つの要素が揃うことで発生しやすくなります。具体的には、社内セキュリティ対策が不十分な場合(機会)や、社員の社内ルールの無理解、不徹底な場合(動機や正当化)に発生しやすいです。


内部不正はさまざまな形で現れますが、代表的な手口には以下のようなものがあります。

  • 顧客情報や設計データなどの機密情報をUSBメモリで持ち出す

  • 退職前に社内データを不正コピーする

  • 業務を装って不正なソフトウェアをインストールする

  • 顧客情報を名簿業者に売却

  • 管理者権限を利用してシステム設定を改ざんする

  • 上司のアカウントを不正使用してデータを改ざん


特に、情報システム部門や営業、経理など「情報にアクセスしやすい部署」では、こうした不正が起こりやすい傾向があります。



■企業が実践すべき内部不正対策の具体的な取り組み

内部不正を未然に防ぐためには、以下のような多層的アプローチが重要です。


アクセス権限の最小化と定期見直し

情報漏洩やデータ改ざんなどの内部不正を防ぐ第一歩は、「必要最小限の権限設計」です。すべての社員にフルアクセス権を与えることはリスク管理の観点から極めて危険です。業務上必要なデータやシステムだけにアクセスできるようにする「最小権限の原則(Principle of Least Privilege)」を徹底しましょう。

たとえば、営業担当には顧客データベースへの閲覧権限は付与しても、請求システムや開発環境へのアクセスは不要です。これを明確に区分けすることで、意図的・偶発的な誤操作や情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。

また、配属変更や退職時に古いアクセス権限が残ったままになるケースも多く、それが内部不正の温床になることもあります。権限の「定期的な棚卸し」や「自動失効設定」の仕組みを導入し、最新の人事情報と連携する体制を整備することが、リスクを最小化する鍵となります。


操作ログの取得と監視

内部不正の予兆や異常行動を把握するためには、「誰が・いつ・どの端末で・何をしたか」を明確に記録・分析できる操作ログの取得が不可欠です。特にファイル操作やUSB利用、ログイン・ログアウトのタイミングは、日常業務の中に紛れた不正行為の手がかりとなります。

ログ管理は取得するだけでは意味がありません。「リアルタイムモニタリング」や「異常検知ルールの設定」によって、疑わしい挙動(例:勤務時間外のアクセス、大量コピー、特定ファイルの繰り返し閲覧)を自動で抽出・通知する仕組みが重要です。

さらに、ログは労務管理・コンプライアンス・インシデント対応における「証拠資料」としても有効であり、企業の説明責任を果たす基盤にもなります。ツールを活用することで、人手に頼らず、精度の高い監視体制を構築できます。


持ち出し制限(USB制御など)

情報の「持ち出し」は、内部不正のなかでも特にダメージの大きい行為です。USBメモリや外部クラウドストレージ、個人用メールなどを経由して、機密情報が社外に流出するリスクは常に存在しています。

そのため、まずは「物理的な持ち出し手段の制限」が必要です。USBポートの制御や書き込み制限、許可デバイスのホワイトリスト化などが有効です。また、ファイル転送の際にログが自動で取得される仕組みも不可欠です。誰がどのファイルをどこに送ったかを追跡できることで、後からでも問題の所在を明確にできます。

加えて、クラウドサービス利用の制限も見逃せません。業務に不要な外部サービス(Google Drive、Dropboxなど)へのアクセスをブロックし、社内で許可されたサービスのみ使用可能とする設定が求められます。これにより、業務の利便性を損なわずにセキュリティを担保することが可能です。


社内ルールと教育の徹底

技術的な対策と並行して、人的リスクの抑止には「組織文化としてのルールの明確化」と「継続的な教育」が不可欠です。多くの内部不正は、「悪気はなかった」「ルールを知らなかった」という意識の希薄さから発生します。

まず、内部不正行為が発覚した場合の処分内容(例:懲戒解雇、損害賠償請求など)を就業規則や社内ポリシーに明記し、社員に周知しましょう。また、情報セキュリティに関する年次研修を定期的に実施することで、全社員の意識とリテラシーを底上げすることができます。

さらに、事例を用いた研修(たとえば「退職直前に顧客リストを持ち出した社員のケース」など)は、実感を持たせる効果的な手法です。社内で不正が起きにくい空気づくり、そして万が一のときに通報できる環境整備も、組織全体の信頼性向上につながり、内部不正対策になります。



■内部不正対策を成功させるためのポイントと注意点

内部不正対策を成功させるためのポイントと注意点

内部不正対策を成功させるには、社員の理解と協力が不可欠です。単に監視を強化するだけでなく、透明性のあるルール作りと明確なコミュニケーションを行い、職場全体での信頼関係を築くことが大切です。 また、内部不正対策を形骸化させず、実効性のあるものにするためには、以下の点に注意が必要です。


監視体制の透明性を保つ

内部不正対策において、「監視の存在そのもの」が社員に与える影響は非常に大きく、過剰な監視は逆に社員の不信感やストレスを招きかねません。そのため、監視を行う際には、「どのような目的で」「どこまで監視を行うか」を明確に定義し、社内に対して丁寧に説明することが不可欠です。

例えば、「不正行為の予防」といった大義名分だけでなく、「公平な評価のための業務データ可視化」や「IT資産の適正運用のため」といった具体的な理由を提示することで、監視に対する抵抗感を和らげることができます。

また、監視データの取り扱いにはガイドラインを設け、アクセスできる担当者を限定する・目的外利用を禁止する・一定期間後にデータを破棄するなど、プライバシーに配慮した運用を実施することが重要です。透明性が担保されることで、社員の納得感や信頼性が高まり、結果として不正抑止効果も向上します。


技術だけでなく人の管理も重要

どれほど高機能なセキュリティツールを導入したとしても、最終的なセキュリティレベルを左右するのは「人の行動」です。たとえば、IT部門が高度なログ監視システムを導入していても、実際の運用を属人的に行っていたり、ルールが曖昧で社員が従わなかったりすれば、効果は限定的になってしまいます。

また、セキュリティポリシーの運用において「例外対応」が多すぎると、内部統制の形骸化につながります。組織としての一貫性を保つためには、規定の整備、責任者の明確化、教育体制の構築が不可欠です。

さらに、部門間の連携もポイントです。人事・総務・情報システム・監査部門などが協力し、「技術」と「制度」と「運用」をバランスよく整えることで、実効性のある内部不正対策が実現します。


内部通報制度の整備

内部不正の多くは、「周囲の誰かが違和感を抱いていた」ものの、「通報の仕方がわからなかった」「報復が怖くて声を上げられなかった」という理由で見過ごされてきたケースが少なくありません。そのため、通報者を守り、安心して報告できる「内部通報制度」の整備が不可欠です。

具体的には、通報窓口の複数設置(社内窓口、外部専門機関)、匿名での通報受付、通報者保護ポリシーの明文化、通報後のフィードバック体制の構築などが求められます。

また、制度を形だけ整えるのではなく、実際に社員が「使いやすい」「信頼できる」と感じられる運用が重要です。定期的に社内に制度の存在を周知し、どんな場面で通報すべきかを研修やメールで啓発することで、いざというときに機能する仕組みとなります。

内部通報制度は、単に不正の「発見手段」ではなく、社員が「会社は正しい行動を評価する」という信頼感を得るための基盤でもあります。



■内部不正対策に役立つツール『Eye“247”Work Smart Cloud』


Eye“247”Work Smart Cloud』は、社員のPC操作やアプリケーション利用状況をリアルタイムで可視化できる端末監視・業務分析ツールです。操作ログの収集、USBデバイスの利用状況の記録、不審な挙動のアラート通知など、内部不正対策に不可欠な機能を網羅しています。


特に、PC操作履歴、アプリの起動履歴、ファイル操作履歴を時系列で記録・分析することで、業務時間中の異常な操作やパターンを検出可能です。管理者は、個人のプライバシーに配慮しながらも業務の透明性を高め、不正の兆候を早期に察知することができます。

さらに、ヒートマップ表示やレポート出力機能により、日々の業務量の可視化や組織全体の働き方の分析にも応用可能で、内部統制・業務改善の両面から貢献します。


『Eye“247”Work Smart Cloud』は、社員の操作ログをリアルタイムで収集・監視できます。

​アプリケーションの起動、ファイル操作、Webアクセスなどの操作履歴を取得し、時系列で可視化します。​これにより、誰が・いつ・どのような操作を行ったかを正確に把握でき、内部不正の兆候を早期に検知することが可能です。​


また、取得したログはCSV形式で出力でき、監査対応や社内報告資料として活用できます。​さらに、特定のキーワードや操作に対してアラートを設定することで、異常な挙動をリアルタイムで検知し、迅速な対応が可能となります。


操作ログだけではなく、USBログやWi-Fiログも取得できます。

『Eye“247”Work Smart Cloud』をインストールした端末にUSBを差し、USB へファイルがコピーされたことを検知した場合、指定したメールアドレスへアラート通知を送信します。他にも、情報漏洩、ウイルス感染の入り口となるUSB端末の使用禁止のルールも設定が可能で、ホワイトリスト方式で使用可能なUSBを限定することができます。


Wi-Fiログは事前に設定することで、セキュリティレベルの低い通信方式やホワイトリストに登録していないWi-Fiに接続されるとアラート通知が出るように管理が可能です。


情報漏洩対策ツールとして、『Eye“247”Work Smart Cloud』は多層的な機能を提供します。

​USBデバイスの使用を制限し、許可されたデバイスのみの利用を可能にするホワイトリスト方式を採用し、USB接続の記憶機器への操作履歴を記録。ファイルの持ち出しや持ち込みを検知することができます。また、USB デバイスへファイルをコピーした数の社員ランキングを棒グラフで表示も可能で、過度にファイルコピーをした社員がいればひと目で分かるようになっています。


USB メモリの他、近年機密情報持ち出しの原因となっている、WPD(Windows Portable Device)として OS に認識されるスマートフォン等へのファイルコピーを禁止、又は書込みのみ禁止することができます。


『Eye“247”Work Smart Cloud』は、端末監視およびIT資産管理ツールとしても活用できます。​ 『Eye“247”Work Smart Cloud』をインストールした各端末の利用状況をリアルタイムに把握し、適切な管理を実施します。

各端末の稼働状況をヒートマップで表示し、業務の偏りや異常を可視化。また、​インストールされているソフトウェアの一覧やライセンス数、使用率などを一元管理でき、IT資産の最適化に貢献します。​脆弱性のあるソフトウェアや未導入のウイルス対策ソフトの検出も可能で、セキュリティリスクの早期発見・対応が可能です。



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まとめ:内部不正リスクを最小化し、信頼性の高い組織へ

内部不正対策は、単なるセキュリティの問題ではなく、企業文化や経営の健全性にも関わる重要なテーマです。技術・制度・人の3つの観点から対策を講じることで、予防と早期発見の体制を構築できます。

社員を信頼しながらも適切に管理し、公平で透明性のある組織運営を実現することが、結果的に社員の安心感と企業の信頼性向上につながるでしょう。


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