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印刷による情報漏洩対策7選!情報漏洩を防ぐための印刷管理チェックリスト付き

  • FuvaBrain
  • 4 日前
  • 読了時間: 12分

印刷業務は日常的な作業である一方、管理が行き届きにくい領域でもあります。実際、社内外を問わず印刷物からの情報漏洩が後を絶たず、その多くは人的ミスやルール未整備に起因しています。


この記事では、印刷に潜む情報漏洩リスクとその対策を7つのポイントに整理し、具体的なチェックリストとともに解説します。

目次

■印刷が情報漏洩リスクになる原因とは

紙に出力する行為は一見安全に思われがちですが、印刷物は回収漏れや誤配布など、管理が不十分になりやすい媒体です。デジタルデータと異なり、アクセス制御や削除もできないため、物理的な管理が非常に重要になります。印刷が情報漏洩リスクになる主な要因は以下の通りです。


印刷物の放置・取り忘れ

共用プリンターで出力したまま放置されると、第三者に見られる・持ち出されるリスクが高まります。

特に、オフィス内で不特定多数が利用するプリンターでは、他部署や外部委託業者の目に触れるリスクがあります。印刷待ちの列ができている場合など、急いでいると自分の印刷物の確認を怠り、そのまま放置してしまうことが少なくありません。


誤印刷・誤配布

印刷時の設定ミスや仕分けミスで、機密文書が誤って他部署や他人に渡ることがあります。たとえば、複数の文書を一括で印刷した際に仕分けやホチキス留めを間違えた結果、別の社員に別の顧客情報が渡ってしまうといった、ヒューマンエラーによる情報漏洩があります。封入作業などのアナログ業務と結びついている場合は、さらにヒューマンエラーの発生リスクが高まります。



印刷物の持ち出し

テレワーク中の自宅や外出先で印刷された資料が放置・紛失されたり、適切にシュレッダー処理されずに廃棄されたりする事例もあります。印刷物を不要になったからといってそのままゴミ箱に捨てる、あるいは紙の裏面をメモ用紙に再利用するといった行動が、情報漏洩につながることがあります。廃棄の際にシュレッダーを通すことのルール化や運用を徹底する必要があります。



■印刷での情報漏洩事例

印刷物が関係する情報漏洩は、技術的対策だけでは防ぎきれない複雑な背景を持つケースが多く存在します。企業のセキュリティ担当者にとっては、理論上のリスクだけでなく、事例から具体的な危険性を学ぶことが重要です。


事例1:内部不正による印刷データの持ち出し

大手製造業の営業部門で発生した事例では、退職予定の社員が取引先情報や価格表などを印刷し、自宅に持ち帰って競合他社に提供していたことが発覚しました。PC上のデータは監視対象になっていたものの、印刷物での持ち出しだったため、発見までに時間を要しました。

その他、一部の社員が、社内で印刷された機密文書を意図的に回収し、自宅に持ち帰って社外に流出させた事例もあります。紙媒体での持ち出しは検知されにくく、外部記録媒体への保存と同様に重大なリスクとなります。



事例2:公共機関での印刷ミスから大量の情報漏洩

市区町村の税務関連部署で実際に発生した情報漏洩事例では、住民に郵送される納税通知書の一括印刷時に、プリンター設定の誤りによって隣接する世帯の個人情報が誤って混在し、封入・送付されてしまいました。これにより、住所・氏名・納税額といった情報が第三者に開示され、数百件に及ぶ大規模な漏洩事故へと発展しました。

印刷前のチェック体制が機能しておらず、業務の効率性を優先するあまり、ダブルチェックや人手による目視確認の工程が省略されていたことが原因とされています。行政機関では膨大な印刷業務が発生するため、属人的な対応では限界があり、チェックプロセスの標準化や印刷ログの可視化といった体制強化が今後の課題とされています。


事例3:外部攻撃を受けたプリンター設定の不正操作

地方自治体が利用するネットワークプリンターがサイバー攻撃を受け、外部からの不正アクセスにより印刷ジョブの内容が読み取られた事件がありました。攻撃者はプリンターの管理画面にアクセスし、ログ情報や印刷履歴を不正に取得。設定されていた初期パスワードが変更されていなかったことが原因とされおり、印刷機器自体のセキュリティも強化が必要だと分かる事例です。



■印刷業務のセキュリティチェックリスト

下記のチェックリストに当てはまらないほど、印刷からの情報漏洩リスクが高まります。印刷業務における情報漏洩リスクを下げるため、以下のチェックリストで社内の対策状況を確認しましょう。




■印刷における情報漏洩対策

印刷物による情報漏洩を防ぐためには、技術的な対策と運用ルールの整備が両立していることが重要です。


印刷ログの取得

「誰が・いつ・何を印刷したか」を把握できるように、印刷ログを記録・保管する仕組みを導入することは、情報漏洩リスクの抑止に直結します。具体的には、「誰が」「いつ」「どこから」「どのファイルを」印刷したかの詳細を記録することで、不審な操作や情報の持ち出しを可視化でき、印刷内容に関する追跡性が確保され、問題が発生した際の早期発見や原因追及に役立ちます。

また、印刷ログの蓄積によって、私的な印刷や業務外の利用など、無駄な印刷行為も把握可能になります。ログを基にしたフィードバックやレポートにより、印刷コストの削減にもつながるでしょう。

さらに、定期的なログ分析を行えば、部門ごとの印刷傾向や異常パターンの早期発見も可能です。こうしたログの活用は、情報セキュリティと業務効率の両立を実現する上で、欠かせない仕組みといえます。


認証印刷の導入

認証印刷とは、ユーザーがプリンター前で社員証やICカード、ID・パスワードなどを用いて認証を行わなければ印刷が実行されない仕組みです。これにより、印刷ジョブがプリンターに送信されても、その場で本人確認が完了しなければ出力されないため、放置印刷や取り違えによる情報漏洩を防げます。

また、認証履歴を印刷ログと連動させることで、誰がどの端末でどの資料を出力したかをさらに明確に記録することも可能になります。認証印刷は非常に有効な情報漏洩対策の一つといえるでしょう。


印刷制限と権限管理

全社員が無制限に印刷できる状態では、機密情報の漏洩リスクが高まります。部門・ユーザー単位で印刷できるファイル種別や台数制限を設けることで、情報漏洩や不正利用のリスクを下げられます。たとえば、経理部門は帳票のみ、総務部門は契約書類のみといった制限をかけることで、印刷内容の統制が可能になります。

さらに、機密情報を取り扱う部署(人事・経理・法務など)には印刷内容をログに残す設定や、ドキュメント分類による印刷可否制限を設けることも可能です。印刷制限をシステム的に実装することで、管理者が都度対応する必要がなくなり、統制の取れた印刷環境を継続的に維持できます。


データの暗号化・消去機能

印刷ジョブは通常、PCからネットワーク経由でプリンターに送信されるため、通信途中でのデータ漏洩や改ざんのリスクが存在します。これを防ぐためには、SSL/TLSなどの暗号化通信を導入し、データが第三者に読み取られないように保護する必要があります。

さらに、プリンター本体に一時的に保存される印刷ジョブのデータも、セキュリティの盲点になりがちです。これらのデータがプリンター内部に残ったままだと、機器の廃棄や再利用時に情報が流出する危険があります。そのため、印刷完了後に自動でデータを消去する機能を備えたプリンターの導入が推奨されます。


印刷データの保存禁止設定

印刷データがPCやクラウド上に一時的に保存されると、そのファイルが意図せず共有フォルダに残ったり、外部メディアへコピーされたりすることで、情報漏洩のリスクが高まります。特に、PDFやXPSファイルなどは印刷前の中間データとして生成され、削除し忘れると社内外へ流出する恐れがあります。このようなリスクを防ぐには、印刷履歴やPDF化ファイルが端末に残らないように、一時保存禁止や自動削除設定を導入しましょう。また、業務端末で印刷用ファイルの保存自体を制限するグループポリシーや運用ルールを策定することで、ヒューマンエラーの発生も抑止できます。

テレワーク環境では、自宅PCや私用端末での印刷が発生しがちですが、こうした端末に保存された印刷用データがUSBやクラウドで持ち出されると、管理が困難になります。したがって、印刷環境全体における保存禁止設定と運用管理を一体で行うことが、今後ますます重要になります。


透かし印刷

透かし印刷とは、印刷物の背景や余白部分にユーザー名、印刷日時、印刷端末のIDなどを目立たない形で自動的に埋め込む機能です。一見して文書の可読性を損なわないようにしつつ、出所を明確化することで、不正コピーや再配布に対する抑止力を高めます。

この透かしは、万が一印刷物が社外に流出した場合でも「誰が、いつ、どこで印刷したか」を迅速に特定できる証跡として活用できます。また、透かしの内容や位置、濃度を柔軟に設定できる製品もあり、企業のセキュリティポリシーに合わせた導入が可能です。

特に、社外秘資料や個人情報を含む文書、契約書などの重要書類に対しては、印刷物の責任所在を明示する手段として非常に有効です。ユーザー側の情報管理意識を高める意味でも、透かし印刷は紙媒体セキュリティの基本施策といえるでしょう。


物理破棄の徹底と教育

廃棄時には必ずシュレッダーを使用し、印刷物管理のルールや教育も継続的に行うことが必要です。

印刷物は使用後に適切に破棄されなければ、ゴミ箱や机上に放置された紙から簡単に情報が漏れてしまいます。特に、ゴミ箱やデスクの上に無造作に置かれたままの紙資料は、社内の他者や外部業者による無断閲覧・持ち出しのリスクを高めます。そのため、社内においては、シュレッダーの設置を徹底し、特定エリアにのみ設置されている場合には使用ルールを周知します。

さらに、これらの対策が形骸化しないよう、従業員への定期的なセキュリティ教育と、実際の破棄状況に応じたフィードバックも欠かせません。技術的な対策だけでなく、運用ルールと人の意識を一体で整えることが、印刷物による情報漏洩を未然に防ぐカギとなります。



■印刷による情報漏洩対策にも有効な『Eye“247” Work Smart Cloud』

Eye“247” Work Smart Cloud』は、PC操作ログを記録・可視化するクラウド型のIT資産・業務管理ツールです。印刷に関する情報漏洩対策として、以下のような機能が活用できます。


印刷制限で情報漏洩を未然に防ぐ

印刷制限により、情報持ち出しなどの内部不正のリスクを引き下げることができます。

『Eye“247” Work Smart Cloud』では、ユーザーや部署単位で印刷の可否や対象ファイルの種類、時間帯などの細かい制限設定が可能です。設定した印刷制限を超えた場合、ユーザーに印刷できない通知を送信し、ただちに印刷を中止することができます。これにより、業務に不要な印刷や私的印刷を抑止し、情報漏洩のリスクを低減が可能になります。また、万が一の際にも印刷履歴が詳細に残るため、問題の早期発見と対応がしやすくなります。

その他にも「印刷ランキング」にて、印刷数が多い順に従業員を表示することが可能です。普段より印刷枚数が多い場合は、印刷での情報持ち出しのリスクが高くなっているため、注意が必要です。


透かし印刷が可能

『Eye“247” Work Smart Cloud』の透かし印刷は、印刷物の隅にごく小さな薄い色で印刷することが出来ます。印刷物の所有者を明確にするため、印刷物にユーザー名・日時・IPアドレスなどの透かしを自動的に挿入する機能が備わっています。これにより、不正なコピーや再配布が抑止され、情報管理意識の向上にもつながります。特に社外持ち出しが懸念される機密文書に有効な対策です。


もしもの時の印刷ログ

印刷ログでは、全クライアントの印刷時間、ドキュメント名、プリンターなどの印刷情報を閲覧することが出来ます。印刷ログはクラウド上でリアルタイムに収集・管理されており、在宅勤務中でも誰が・どこで・何を印刷したかを把握できます。不審な印刷操作を即時に検知することが可能なため、テレワーク環境下での情報漏洩リスクにも対応できます。


印刷以外のログと連携しリスクを可視化

印刷ログに加え、USBメモリの接続やファイルコピー、Webアクセスなど、PC操作全般のログと連携して分析することで、従業員の行動全体を立体的に把握できます。印刷操作が他の不審な行動と連動していた場合にも早期に異常検知が可能となり、組織のセキュリティ体制を強化することが可能です。



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■まとめ:印刷管理は情報漏洩対策の第一歩

デジタルセキュリティに比べ、見落とされがちな紙媒体のリスク。しかし、印刷物の管理不足から起こる情報漏洩は後を絶ちません。印刷ログの取得や認証印刷の導入など、日々の業務でできる対策を一つずつ進めることが重要です。『Eye“247” Work Smart Cloud』のような可視化ツールを活用し、印刷を含む業務全体の情報管理レベルを高めていきましょう。

この記事のポイント

  • 印刷物は情報漏洩リスクの盲点

  • ログ取得・認証印刷・透かしなど7つの対策で印刷リスクを抑制

  • セキュリティチェックリストで社内ルールの抜けを点検

  • 『Eye“247” Work Smart Cloud』で印刷ログの可視化・制御が可能


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