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シャドーITの5大リスクとは?企業がとるべき対策方法

更新日:3 日前


シャドーITの5大リスクとは?企業がとるべき対策方法

テレワークやクラウドサービスの普及により、従業員が会社に無断でIT機器やアプリケーションを業務に使用する「シャドーIT」が急増しています。

利便性を求めた行動の裏で、企業の情報セキュリティを脅かす深刻なリスクが潜んでいます。


この記事では、シャドーITの具体的なリスクと、その対策方法をわかりやすく解説します。


 

目次

 

■シャドーITとは企業が把握していないツールのこと

シャドーITとは、企業の許可を得ずに従業員が勝手に導入・利用しているハードウェア、ソフトウェア、クラウドサービス、アプリなどを指します。


シャドーITは非公式なIT環境であり、適切なセキュリティ設定やアクセス制限が行われていないケースが多く、外部へのデータ流出や悪意ある攻撃の侵入を許してしまう可能性があります

また、企業がその存在を認識していないため、万が一セキュリティインシデントが発生しても、迅速な対応や原因特定が困難になり、被害の拡大を招く恐れもあります。管理対象外であること自体が、企業のリスク管理体制に大きな穴をあけてしまうのです。


シャドーITに該当するものは、主に以下のようなツールやサービスです。

  • 私用ノートPC等の端末

  • 利用許可のないチャットなどの、メッセージアプリ

  • 個人契約しているオンラインストレージサービスなどのクラウドサービス

  • 業務用のPCを使って接続するフリーWi-Fi


利便性や生産性を高める目的で個人が利用したツールがシャドーITになることが多く、企業にとって大きなリスク要因にもなります。


シャドーITとBYODの違い

 

シャドーITとBYOD(Bring Your Own Device)はどちらも企業の情報セキュリティに関わる重要なテーマですが、その性質には大きな違いがあります。


シャドーITは、企業に無許可で使用されるITツールやサービスを指し、セキュリティ対策が及ばない環境で利用されるため、重大な情報漏洩リスクを伴います。そのため、早急な検出と排除が求められる対象です。

一方、BYODは企業が認めた上で、従業員の私物端末を業務利用する仕組みであり、企業が管理下で運用する制度的なアプローチです。ただし、適切なルール設定やツール導入がなければ、こちらもセキュリティリスクになりかねません。


シャドーITとBYODの違い一覧表


シャドーIT

BYOD

利用の許可

無許可(非公式)

企業が許可・管理している

セキュリティ管理

企業側で把握・制御できない

MDMやVPNなどのセキュリティ対策が可能

利用目的

個人判断で利便性を求めた使用

業務効率化やコスト削減を目的に制度化

主なリスク

情報漏洩・マルウェア・法令違反など

プライバシー侵害・設定ミスによるリスクなど

対応策

利用の検出と排除、公式ツールの提供

セキュリティポリシー設定と教育



■シャドーITの主なリスク5つ

シャドーITには主なリスクが5つあります。

  • 情報漏洩のリスク

  • マルウェアやウイルス感染のリスク

  • セキュリティ対策の無力化リスク

  • コンプライアンス違反のリスク

  • インシデント対応の遅延リスク


この5つのリスクについて詳しく確認していきましょう。


情報漏洩のリスク

 

私用端末やサービスを業務に使用することで、顧客情報や機密データが第三者に漏洩するリスクが高まります。特に、個人が所有するスマートフォンやUSBメモリなどは企業のセキュリティポリシーの対象外となっていることが多く、パスワードの管理不備や暗号化の未対応といったリスクが常に潜んでいます。加えて、テレワークの増加によって私用端末の利用機会が拡大し、情報漏洩の経路が複雑化・多様化している点も見逃せません。

実際に情報漏洩が発生すると、企業の信頼失墜や顧客離れ、損害賠償請求など多大な被害をもたらす可能性があります。


マルウェアやウイルス感染のリスク

 

企業が管理していないシャドーITには、マルウェアやウイルスが仕込まれている可能性があります。企業のセキュリティ監視の目が届かない環境でアプリケーションを実行することで、内部ネットワーク全体にマルウェアやウイルスの感染が広がるリスクが高まり、マルウェアやウイルスに感染すると、機密情報が盗み取られる可能性があります。また、社内の他の端末に感染が広がると、業務停止や被害拡大を招きます。


セキュリティ対策の無力化リスク

 

シャドーITでは、会社が定めたウイルス対策ソフトの導入や、OS・ソフトウェアのセキュリティパッチの適用、ファイアウォール設定、アクセス権限管理、操作ログの記録などが実施されていない可能性があります。そのため、従業員がどこで何をしているのかを可視化できず、サイバー攻撃や情報漏洩が発生しても対応や原因特定が難しくなります。特に、クラウドサービスの乱用やサードパーティアプリの無断利用が常態化すると、セキュリティ統制が取れない状態に陥り、攻撃者にとっては格好の標的になります。


コンプライアンス違反のリスク

 

業務で使用するIT資産は、法律やルールに基づいて企業が管理・運用する必要があります。IT資産を企業が管理するなかで、シャドーITの使用は、個人情報保護法や業界ガイドラインに違反するリスクが高いです。たとえば、業務データを社外クラウドにアップロードしたり、無認可の通信経路を通じて機密ファイルを共有したりする行為は、企業が本来求められる情報管理の水準を満たしていないと見なされ、法的制裁や取引先からの信頼喪失につながりかねません。

企業がシャドーITを放置した結果、法的リスクや企業の信用失墜を招く可能性もあるのです。


インシデント対応の遅延リスク

 

シャドーITを通じて発生したインシデントは、企業の正式な管理下にないため、トラブル発生時の原因特定や復旧が遅れ、被害が拡大することがあります。さらに、シャドーITになる非公式ツールは操作ログの記録や保管が不十分であることが多く、証拠が残らないためにインシデント調査や影響範囲の特定が著しく困難になります。

その結果、対応が遅れた分だけ被害が拡大し、対応コストも膨れ上がる可能性があります。攻撃が拡散した場合には、全社的な業務停止や顧客情報の流出といった重大インシデントへと発展するケースもあり、初動の遅れが致命傷になり得るのです。



■シャドーITの増加原因とは


シャドーITの増加原因とは

シャドーITが増加している背景には、テレワークの普及クラウドサービスの手軽な利用が挙げられます。従業員が業務効率を求めるあまり、企業に無断で便利なツールや私用端末を使うケースが増えており、IT部門の管理が追いついていない現状があります。

また、社内システムへの不満(使いづらさや柔軟性の欠如)や、セキュリティ教育・ガバナンスの不徹底も要因となり、知らず知らずのうちにシャドーITが常態化している企業も少なくありません。



■企業がとるべきシャドーIT対策

シャドーITの対策として、企業のとるべき施策は次の5つになります。

  • IT資産の可視化(ITAM)

  • セキュリティ教育の定期実施

  • シャドーIT検出ツールの導入

  • シャドーITの代替ツールを用意する

  • BYODポリシーの整備


これらの施策について詳しく確認していきましょう。


IT資産の可視化(ITAM)

 

シャドーIT対策には、社内で使用されているすべてのIT資産を洗い出し、現状を把握することが第一歩になります。 社内で使用されているすべてのIT資産(PC、スマートフォン、サーバー、プリンター、ネットワーク機器、ソフトウェア、クラウドサービスなど)を部門横断的に洗い出し、それらがどのように使われているか、誰が使用しているのか、どのようなデータが扱われているかといった情報を網羅的に把握し、現状の使用状況を可視化することで、管理対象外の機器やアプリ、潜在的なリスクポイントが明確になります。そうすることで、今後のセキュリティ施策の優先順位付けや改善策の立案につながります。


セキュリティ教育の定期実施

 

シャドーIT対策のひとつとして、従業員に向けてシャドーITのリスクや企業ポリシーの重要性を啓発することが重要です。

たとえば、情報漏洩や業務停止、法令違反など、実際に起こりうる被害を明確に示すことで、当事者意識を持たせ、さらに、企業が定めるセキュリティポリシーの内容や目的、遵守すべき理由を分かりやすく伝えることで、従業員自身がリスクを回避するための判断基準を身につけることができます。

特に、実際に起きたインシデントの事例を紹介しながら解説することで、よりリアルに危機感を持ってもらうことができ、シャドーITの抑制に直結します。


シャドーIT検出ツールの導入

 

ネットワーク上のトラフィックやログを分析するツールを活用し、企業の管理下にないツールの使用を自動検出することで、シャドーITを可視化することが可能になります。

さらに、利用頻度や通信内容、異常な挙動の有無なども分析できるため、ポリシー違反の兆候を早期に察知し、迅速な対処につなげることができます。


シャドーITの代替ツールを用意する

 

使いやすく、安全性の高いツールを提供することで、従業員が非公式な手段に頼る必要を減らすことが可能です。 特に、公式ツールが業務ニーズに対応しておらず、操作が煩雑だったり制限が多かったりすると、従業員は自己判断で代替手段を探す傾向にあります。その結果がシャドーITの増加につながるため、現場の声を反映しながら、直感的な操作性や機能性、そしてパフォーマンスに優れた正規ツールを導入・整備しておくことが重要です。

これにより、従業員は安全な環境下で業務を遂行できると同時に、企業側もIT資産を一元管理しやすくなり、シャドーITリスクの低減に直結します。


BYODポリシーの整備

 

シャドーIT対策では、私物端末の業務使用に関して、企業として明確なBYOD(Bring Your Own Device)ポリシーを策定し、従業員がどのような条件で私物端末を業務に利用できるのかを詳細に定めることが不可欠です。

使用を許可する端末の種類やOSバージョンの基準、ウイルス対策ソフトのインストール義務、データの暗号化、会社指定のセキュリティアプリの導入など、セキュリティ面での要件を明記する必要があります。これにより、私物端末の利便性を損なうことなく、企業の情報資産を安全に守ることが可能になります。



■シャドーIT対策にも『Eye“247” Work Smart Cloud』


シャドーIT対策にも『Eye“247” Work Smart Cloud』

このように、増加傾向あるシャドーITに企業全体で対策をとらずに放置すると、企業にとって甚大な被害を及ぼすリスクがあります。

Eye“247” Work Smart Cloud』では、企業のシャドーIT対策に適した機能を多数搭載しています。


ここでは、『Eye“247” Work Smart Cloud』に備わっている機能の一部をご紹介します。


 

『Eye“247” Work Smart Cloud』は、『Eye“247” Work Smart Cloud』をインストールしたPCやモバイル端末を、一元的に管理できるようになります。

端末の利用状況、接続状態、導入されているアプリケーションの情報をリアルタイムで把握できるため、IT部門は組織全体のIT資産を可視化することができ、シャドーITの早期発見にもつながります。

また、管理画面上では端末ごとの利用傾向や異常動作の兆候も分析できるため、シャドーITが発生しやすい部門や利用パターンを特定し、事前にリスクを抑制する対策・制限を講じることが可能です。


また、本サービスはクラウドベースで運用されているため、拠点の分散した企業やテレワークを導入している組織でも柔軟に対応できます。ネットワーク環境さえあれば、どこからでも最新の端末情報にアクセスでき、リモート管理も可能です。


 

『Eye“247” Work Smart Cloud』には、操作ログ・USBログ・Wi-Fiログなど様々なログ管理機能が備わっています。

操作ログや通信履歴などの詳細なデータを自動的に記録・保存する機能は、万が一のインシデント発生時には原因の特定や影響範囲の把握に役立ちます。


『Eye“247” Work Smart Cloud』はUSB使用履歴を知ることができるだけでなく、『Eye“247” Work Smart Cloud』をインストールした端末にUSBを差し、USB へファイルがコピーされたことを検知した場合、指定したメールアドレスへアラート通知を送信します。 また、情報漏洩、ウイルス感染の入り口となるUSB端末の使用禁止のルールも設定が可能で、ホワイトリスト方式で使用可能なUSBを限定することができます。


また、Wi-Fiログは事前に設定することで、セキュリティレベルの低い通信方式やホワイトリストに登録していないWi-Fiに接続されるとアラート通知が出るように管理が可能です。


 

『Eye“247” Work Smart Cloud』には、企業が直面するシャドーITリスクに対応するための、未承認ソフトウェアの検出やアラート通知、ログの自動取得といったセキュリティ機能が搭載されています。


特に注目すべきは、未承認ソフトウェアの検出機能です。これにより管理者は、従業員が業務に無断で導入したアプリケーションやツールをリアルタイムで把握でき、シャドーITの早期発見と制限が可能になります。ソフトウェアは、使用履歴を知ることができるだけではなく、事前にソフトウェアの利用を制限することや、ダウンロードの際、従業員にアラート通知を出すことでシャドーIT化、シャドーIT利用の抑制につながります。

また、『Eye“247” Work Smart Cloud』で使用頻度の低い公式ツールを把握しておけば、シャドーIT防止にもつながります。


各種セキュリティアラートを即座に管理者へ通知する仕組みも備えており、異常な挙動や不審な通信が検出された際には、迅速な対応を促すことができます。これにより、マルウェア感染や情報漏洩といったリスクを事前に察知・対処することができ、安心・安全なIT環境を構築することができます。


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■まとめ

シャドーITは放置せず、企業全体での対策が必要です。


シャドーITは、企業にとっては情報漏洩・ウイルス感染・法令違反など大きな損失に繋がるリスクを抱えています。重要なのは、禁止するのではなく、従業員の業務効率を尊重しつつ安全に使える環境を整備することです。IT部門と現場が協力し合い、リスクを抑えながら柔軟な働き方を支える体制を構築することが、これからの企業には求められています


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