サービス残業は自主的でも労基法違反!?企業側への罰則や影響は?

更新日:1 日前


サービス残業とは|定義・違法な理由・実態などを事例とともに紹介!

残業した分の賃金支払いがないサービス残業は、違法です。放置すると、罰則の対象になったり、賃金未払い訴訟に発展したりと、さまざまなトラブルのリスクがあります。とは言え、何がサービス残業に当たるのかを正しく判断できないと、対策をとるのは難しいものです。


この記事は、サービス残業の定義や事例などを、わかりやすく解説します。サービス残業の基礎知識を再確認し、リスクマネジメントにお役立ていただけたら幸いです。

 

目次 :

 

サービス残業とは


サービス残業とは、法定時間外労働(残業)をしているにもかかわらず、適切な対価(割増賃金)が支払われていない賃金不払残業のことです。


厚生労働省の最新の発表によると、令和3年度に賃金不払残業で労働基準監督署から指導を受け、100万円以上の未払賃金を支払った企業は、前年度より7企業多い1,069企業にも上りました。対象となった労働者は6万4,968 人で、支払われた平均額は、1企業当たりでは609万円、労働者1人当たりでは10万円という結果でした。 ※出典:厚生労働省 監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和3年度)https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/chingin-c_r03.html


テレワークが浸透する中で、導入企業では勤務実態が把握しにくくなり、サービス残業の発生リスクはますます高まっています。未払賃金の消滅時効期間が2年から3年に伸びたこともあり、多額の未払賃金を請求されるリスクは、どの企業でも起こり得ることとして注意が必要です。


サービス残業は、なぜ違法か?


サービス残業は、労働基準法第37条第1項に違反するので、違法となります。


労働基準法第37条第1項とは?

労働者が労働時間を延長した場合や休日出勤した場合などに、割増賃金の支払いを義務付ける規定です。残業をした際も、この規定により雇用主は割増賃金を支払う法的義務があります。

残業をしているにもかかわらず、その分の賃金が支払われていないサービス残業は、労働基準法で定められた法的義務を果たしていないことになり、違法になります。


サービス残業になる代表例


サービス残業になる代表例

サービス残業に該当する代表例として、次のようなものがあります。


サービス残業になる代表例6つ

  • 勤務時間の虚偽報告をする

  • 残業時間の端数を切り捨てる

  • 所定の出社時刻よりも早く勤務を開始する

  • 名ばかり管理職が時間外労働をする

  • 超過時間をみなし残業として扱う

  • 自発的にサービス残業をする

それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。


勤務時間の虚偽報告をする

職場内の暗黙のルールや上司からの指示などで、実際より少ない残業時間数を報告させている場合は、サービス残業に該当します。報告していない残業時間分の賃金が支払われていないからです。 なお、判例(最高裁判所 昭和48年1月19日判決 )によると、仮に残業をした本人が虚偽の時間数を報告することに同意していたとしても、自由な意思に基づかないものとして無効とみなされる可能性が高いため注意しましょう。


残業時間の端数を切り捨てる

残業時間を15分単位などで集計し端数を切り捨てている場合、切り捨てた残業時間の部分はサービス残業に該当します。


残業時間の集計は1分単位で行う必要があります。端数を切り捨てている場合は未払賃金として請求されるリスクがあることを、覚えておきましょう。


所定の出社時刻よりも早く勤務を開始する

所定の出社時刻よりも前に出社し清掃やミーティングなどをすることが決められているケースも、サービス残業に該当します。残業と聞くと終業後にばかり目が行きがちですが、始業前も対象になるので、出勤状況を正しく把握しておくことが大切です。


名ばかり管理職が時間外労働をする

名ばかり管理職とは、管理職のような役職名をしているものの、業務時間に関する裁量など実質的な権限を持たない立場の社員のことです。


通常、法律上の管理監督者に該当すれば残業代は発生しませんが、名ばかり管理職は法律上の管理監督者に該当しないので、残業代を支払わなければなりません。


超過時間をみなし残業として扱う

みなし残業とは、固定残業代のことで、あらかじめ定めた時間分の残業代を賃金として支払う制度です。定めた時間分の残業をしていなくても固定額は満額支払われますが、仮に固定残業代で想定した時間を超過した残業については、残業代の追加支給が必要になります。


自発的にサービス残業をする

ボランティアや評価を上げる目的などで、社員が自発的にサービス残業をした場合であっても、残業代を支払わなければ、雇用主側には罰則の適用があります。


各労働時間制度における残業の考え方


各労働時間制度における残業の考え方

昨今、自由で多様な働き方が求められる中でさまざまな労働時間制度を採用している企業も増えてきました。労働時間制度には、変形労働時間制、裁量労働制、フレックスタイム制などがあります。それぞれの制度の概要と残業の考え方を下表にまとめました。


各労働時間制度における残業の考え方

制度

制度の概要

残業の考え方

変形労働時間制

週当たりの平均労働時間が40時間を超えなければ、日ごとの労働時間を柔軟に設定できる制度

​1週間または変形期間といった一定期間の労働時間合計が所定労働時間・法定労働時間を超えれば残業となる

裁量労働制

みなし労働時間を設定し、実労働時間がこれを超えても下回っても、みなし労働時間分働いたとみなす制度

法定労働時間の超過や休日出勤や深夜勤務に対する割増賃金が適用され、残業となる

フレックスタイム制

社員が始業・終業時刻や労働時間を自由に決めることができる制度

総労働時間が法定労働時間「1日8時間・週40時間の総枠」を超過した分が残業となる

上記のとおり、変形労働時間制では、勤務時間の合計によっては残業代の支払い義務が発生することに注意が必要です。勤務時間の合計を正確に把握しておかないと、知らないうちにサービス残業が発生することになりかねません。


また、裁量労働制では、残業代が発生しないと思われがちですが、あくまでも労働基準法に準じる制度です。労働時間が法定労働時間を超えていたり、休日出勤や深夜労働には残業代が発生し、割増賃金の規定が適用されるので注意が必要です。


近年、知らず知らずに未払いとなっている残業代が訴訟に発展するケースが増えています。残業代は最大過去3年までさかのぼって請求できますので、そのようなリスクを低減させるためにも自社の制度に合わせて、労働時間の適正な管理と把握が重要です。 また、サービス残業にならない、残業代の支払い義務の例外が認められるケースとして

  • 高度プロフェッショナル制度をとられている

  • 実質的な権限も備えている管理監督者である

  • 就業規則の整備や協定の締結がされている

などが挙げられます。それぞれのケースによって満たすべき条件がありますが、安易に残業代は不要と判断しないよう、注意しましょう。


サービス残業の罰則と影響


サービス残業を放置することで、罰則の対象になる、その他の悪影響が生じるなど、企業にとってはさまざまなリスクがあります。ここでは、サービス残業が発生することで想定される代表的なリスクについて、確認しておきましょう。


サービス残業の罰則

社員にサービス残業をさせると、企業自体および雇用主は、労働基準法第119条1号に基づき、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されてしまいます。


もちろん、労働基準法に罰則があるからと言って、最初から罰則が適用されるわけではありません。まずは労働基準監督署から是正措置を求める監督指導が入り、対応を怠ると罰則の対象になる可能性があります。


ただし、労働基準監督署からの指導があったというだけでも、次に述べるとおり、企業には悪影響を及ぼすことになりかねません。


サービス残業で起こり得る悪影響

罰則の対象になる以外にも、サービス残業によって企業にはさまざまなデメリットがあります。


例えば、社員から未払残業代の請求をされるリスクがあります。未払分の賃金には遅延利息が加算されるので、対応が遅れれば遅れるほど支払額も膨らみます。


また、企業イメージの低下も深刻です。

サービス残業があったという事実が知れ渡ることで、

  • 取引先や顧客からの信頼が失われ、ビジネスに悪影響が出る

  • ブラック企業というレッテルを貼られ、採用活動が難しくなる

  • 社員のモチベーションが低下し、生産性が下がる

などといった影響が考えられます。場合によっては株価などが下落し、大きなダメージを受ける危険性もあるでしょう。


サービス残業防止には業務可視化ツールを活用しよう!


企業にとってデメリットの多いサービス残業を防止するには、勤務実態を簡単に把握することができる業務可視化ツールを活用することが効果的と言えます。


特に最近では、テレワークやハイブリッドワークの導入に伴って、「隠れサービス残業」が増えていると言われています。これまでと同じやり方では、勤務実態を正しく把握しにくくなっているのが実情です。 隠れサービス残業を見逃して大きなトラブルに発展させないためにも、業務可視化ツールを有効活用し、労力を抑えてリスクを回避しましょう。


『Eye“247” Work Smart Cloud』でできるサービス残業防止対策


Eye“247” Work Smart Cloudは、業務可視化、IT資産管理、セキュリティ対策、情報漏えい対策などテレワークの課題を幅広く解決できる生産性向上ツールです。


今回は、Eye“247” Work Smart Cloudでできるサービス残業防止対策をご紹介します。


隠れサービス残業を見逃さない勤怠管理のポイント

上述したとおり、知らず知らずに隠れサービス残業とならないために、適正な勤怠管理が必要です。また、さまざまな労働時間制度において、残業代発生に繋がる抑えておきたいポイントを5つ挙げます。これらのポイントを抑えて隠れサービス残業へのリスクを最小限にしましょう。


抑えておきたい勤怠管理のポイント

  • 1分単位で勤務時間の把握

  • 打刻等による正確な勤怠の記録

  • PC操作以外の業務把握

  • 法定休日出勤の把握

  • 深夜労働の把握

PC操作ログによる勤務状況の把握

『Eye“247” Work Smart Cloud』では、PC操作ログを記録して、社員が「どの時間に」「どのような業務を」行っていたのかを可視化することができます。


また、GoogleやOutlook、Garoonのカレンダー機能との連携によりPC操作をともなわない業務も可視化して、より正確な業務把握ができます。社内でも社外でも就業場所にかかわらず、社員の働き方と業務を可視化し、勤務状況を把握できます。


特に在宅勤務などのテレワークでは隠れサービス残業になりがちです。テレワークに適した職種や業務内容を考えると、PC操作による作業が多くなりますので、PC操作ログによる勤務状況の把握は、隠れサービス残業を防止するには有効な手段となります。

ヒートマップ表示で1ヶ月の働き方を可視化

例えば、ヒートマップ表示では、月単位でPC操作時間と作業集中度を可視化できます。「申請のない時間外労働、休日出勤や深夜残業」を見逃さずに、残業代が未払いとなるリスクを低減します。

気になる残業はワンクリックで、ドリルダウン式に作業内容を詳細に表示・確認することができます。


打刻アプリによる1分単位の勤怠把握

さらに、『Eye“247” Work Smart Cloud』では、勤怠管理オプションを導入することで、PCやスマートフォンで出退勤の打刻を行い、社内でも社外でも簡単に勤怠の実績を記録することができます。


PC操作時間と打刻時間を記録

1か月の勤務時間の合計を自動集計して積算された労働時間が把握できることと、PC操作ログの自動受信が残るので、テレワーク時や深夜労働のように上司の目の届かない場所での残業や申請のない法定休日出勤を一目で見つけることができます。


このように社員の勤務状況を会社が正しく把握することは、サービス残業を防止するための第一歩です。 『Eye“247” Work Smart Cloud』は、勤務時間と業務内容の可視化ができるので、隠れサービス残業を見つけるだけではなく、その残業は「本当に必要だったのか」など残業の適正化を図り、「残業をしない、残業をさせない」仕組みづくりにお役立ちすることができます。


『Eye“247” Work Smart Cloud』は、この他にも多くの機能を備えており、「業務分析」「IT資産管理」「情報漏えい対策」「セキュリティ対策」の4つの切り口で、テレワークにおけるさまざまな課題を解決・支援します。


まとめ

サービス残業は、労働基準法に抵触し、違法です。放置することで企業は罰則の適用や社会的信用の失墜など大きなダメージを受ける危険性があります。

最近は、テレワークなど上司の目の届かない場所で隠れサービス残業となってしまうケースも増えています。社内でも社外でも就業場所に関わらず、日ごろから社員一人ひとりの勤務実態を正しく把握し、サービス残業を早期発見して是正することが大切です。ぜひ、会社全体で「残業をしない、残業をさせない」仕組みづくりを推進しましょう。


テレワーク業務を可視化し、生産性向上を実現

Eye“247” Work Smart Cloud 早わかりガイド