外部記録媒体とは何か?初心者にもわかる種類・メリット・危険性まとめ
- FuvaBrain
- 7 時間前
- 読了時間: 13分
更新日:2025年11月14日

近年、テレワークやモバイルワークの普及により、USBメモリや外付けHDD、クラウドストレージなどの「外部記録媒体」を利用する機会が増えています。一方で、情報漏洩やウイルス感染といったセキュリティリスクも高まり、企業は利便性と安全性の両立がこれまで以上に求められるようになりました。
この記事では、外部記録媒体の基本から種類、メリット、そして最も重要な「リスクとその対策」まで、初心者にも分かりやすく解説します。貴社の情報セキュリティ戦略を見直すための一歩として、ぜひお役立てください。
目次
外部記録媒体の基本的な定義と役割
記録媒体と記憶媒体の違い
内部記録媒体との違い
磁気記録媒体(HDD・磁気テープ)
光学記録媒体(CD/DVD/BD)
フラッシュメモリ媒体(USBメモリ/SSD/SDカード)
ネットワーク型記録媒体(NAS/クラウドストレージ)
データ持ち運びの柔軟性
バックアップ・データ保全用途
拡張性・コスト効率
紛失・盗難リスク:発生時の被害と具体的な予防策
不正利用・内部不正リスク:不正なデータ持ち出しを防ぐには
マルウェア感染リスク:媒体を介した攻撃経路とその対策
外部記録媒体の安全な利用を実現する『Eye“247” Work Smart Cloud』
情報漏洩を未然に防ぐ、柔軟かつ強固なデバイス利用制御
不正持ち出しを徹底追跡:USB操作の監視と詳細ログ取得
情報の保持状態を可視化し、リスクを先回り防止
資産管理+ログ管理+制御を1つで実現
■ 外部記録媒体とは何か?
外部記録媒体の基本的な定義と役割
外部記録媒体(外部記憶媒体、External Storage Device)とは、パソコンやスマートフォンなどの機器本体に内蔵されているストレージ(内蔵HDDやSSDなど)とは別に、データを保存・読み書きするために使用する機器やメディア(媒体)の総称です。
代表例として、USBメモリ、外付けハードディスク、SDカード、CD/DVDなどが挙げられます。
データのバックアップや共有、持ち運びに利用される一方、業務効率化に寄与する重要な手段であり、同時に情報漏洩対策や運用ルールの整備など、セキュリティ面での管理が不可欠です。
記録媒体と記憶媒体の違い
IT業界では「記録媒体(きろくばいたい)」と「記憶媒体(きおくばいたい)」という二つの言葉が使われますが、厳密には意味が異なります。記録媒体とは、データを保存する媒体の総称です。一方、記憶媒体は主に一時的なデータ保存領域を指します。
現在では、両方の言葉がほぼ同義で使われることが多くなりましたが、正確には「記録媒体」のほうがより広い概念を示す用語です。
内部記録媒体との違い
内部記録媒体とは、パソコンやサーバー本体の内部に搭載されたストレージ(例:内蔵HDD、内蔵SSD、メモリなど)を指します。
これに対し、外部記録媒体は本体の外部に接続して使用するため、着脱や持ち運びが容易です。
一般的に、内部記録媒体はOSやアプリケーション、日常的なデータ保存に使用され、外部記録媒体はバックアップやデータ移動、共有など、特定の用途で補助的に活用されます。
■ 企業で利用される主な外部記録媒体の種類と特徴

磁気記録媒体(HDD・磁気テープ)
磁気記録媒体は、磁気を利用してデータを記録・保存するタイプの外部記録媒体です。ハードディスクドライブ(HDD)や磁気テープなどがこれに該当し、大容量のデータを長期的に保管できる点が特徴です。ただし、物理的な衝撃や磁気によるデータ消失リスクもあるため、取り扱いには注意が必要です。
光学記録媒体(CD/DVD/BD)
光学ディスクはレーザー光を用いてデータを記録する媒体で、CD、DVD、Blu-ray Disc(BD)などが代表例です。主にデータ配布やバックアップ、アーカイブ用途で利用され、改ざん防止性や長期保存に優れている点が特長です。
一方で、記録容量に制限があり、物理的な傷や経年劣化による読み取り不良のリスクも存在します。そのため、データ証拠の保全や監査ログの長期保管など、用途や保存期間に応じて適切に使い分けることが重要です。
フラッシュメモリ媒体(USBメモリ/SSD/SDカード)
フラッシュメモリ媒体は、半導体メモリを利用してデータを保存する外部記録媒体です。
USBメモリやSDカード、外付けSSDなどがあり、軽量・小型で持ち運びやすく、データの読み書き速度も高速であることが特徴です。
営業担当がプレゼン資料を持ち運ぶなど、日常業務で最も広く使われています。その反面、紛失・盗難リスクが最も高く、情報漏洩事故の原因の多くを占めています。
ネットワーク型記録媒体(NAS/クラウドストレージ)
ネットワーク型記録媒体は、ネットワークを介してデータを保存・共有できる外部記録媒体です。物理的な媒体ではありませんが、外部にデータを保存するという点では外部記録媒体と同様の役割を果たします。
複数端末からのアクセスが可能で、チームでのファイル共有やバックアップに適しており、拡張性と利便性の高さからテレワークや多拠点展開における運用にも有効です。一方で、アクセス権管理や暗号化、通信経路の保護など、適切なセキュリティ対策が不可欠です。
■ 企業における外部記録媒体利用のメリット
外部記録媒体は、企業の業務効率化やDX推進において、以下のような具体的なメリットをもたらします。
データ持ち運びの柔軟性
外部記録媒体の最大のメリットの一つは、データの持ち運びが非常に柔軟である点です。USBメモリや外付けHDD、SDカードなどは小型・軽量で、必要なデータを簡単に持ち出すことができます。
これにより、テレワークや出張先での業務、取引先とのデータ受け渡しなど、場所を問わないスムーズな業務遂行を実現します。
バックアップ・データ保全用途
外部記録媒体は、重要なデータのバックアップや長期保存にも最適です。
万が一、パソコンやサーバーが故障した場合でも、外部媒体に保存しておけばデータを安全に復元できます。また、災害やサイバー攻撃などのリスク対策としても、外部記録媒体への定期的なバックアップは有効です。さらに、複数の媒体や場所に分散してバックアップを取ることで、データ消失リスクを最小限に抑えることができます。
拡張性・コスト効率
外部記録媒体は、必要に応じて容量を簡単に追加できる拡張性の高さが魅力です。新たなデータ保存が必要になった場合でも、追加の媒体を用意するだけで対応できます。また、クラウドストレージやNASは、利用状況に応じて柔軟に容量を増減できるため、無駄なコストを抑えつつ効率的な運用が可能です。必要な容量分だけ購入することで無駄を省き、コスト効率の高い運用が可能です。
■ 外部記録媒体利用における3大リスクと対策

管理職や社内SEが最も注意すべきは、利便性の陰に潜む深刻なリスクです。ここでは、外部記録媒体が引き起こす主要な3つのリスクと、その具体的な対策を解説します。
紛失・盗難リスク:発生時の被害と具体的な予防策
外部記録媒体は持ち運びが容易である一方、紛失や盗難のリスクが常に伴います。特に、外部に持ち出された媒体に機密情報や個人情報が含まれていた場合、情報漏洩につながり、企業は社会的信用の失墜、損害賠償、そして個人情報保護法違反などの重大なコンプライアンスリスクを負う可能性があります。
そのため、以下の3つの対策を組み合わせて実施することが重要です。
物理的な制限: 持ち出しルールの徹底、未許可媒体の利用禁止。
技術的な対策: 媒体内のデータを暗号化する。パスワード認証を義務付ける。
監視: どのPCで、いつ、どの外部記録媒体が利用されたかのログを記録・監視する。
さらに、万が一インシデントが発生した場合に備え、迅速な報告・対応ができる体制を整えておくことも欠かせません。
不正利用・内部不正リスク:不正なデータ持ち出しを防ぐには
従業員による意図的または偶発的な不正利用も深刻なリスクです。たとえば、退職予定者が顧客情報をUSBメモリにコピーしたり、許可されていないデータを個人的に持ち出す行為は、代表的な内部不正に該当します。特にUSBメモリや外付けHDDは、気付かれずに大量のデータを持ち出すことが可能であるため、細心の注意が必要です。
効果的な対策として、以下のポイントが挙げられます。
アクセス制御: 部署や役職に応じて、外部記録媒体への書き込み権限を細かく設定する。
デバイス制御: 企業が許可した特定のUSBデバイスのみ利用可能とし、その他の私物デバイスの利用を禁止する。
操作ログ: 誰が、いつ、何を、どの媒体にコピーしたかを詳細に記録し、抑止力とする。
このように、システムによる制御と人的な運用ルールを組み合わせることで、内部不正リスクを大幅に低減できます。
マルウェア感染リスク:媒体を介した攻撃経路とその対策
外部記録媒体は、マルウェアやウイルスの感染経路となることもあります。特に、外部から持ち込まれたUSBメモリやSDカードを社内PCに接続した際、意図せずマルウェアが侵入・拡散するケースが多発しています。
主な予防策として、以下の3点が挙げられます。
アンチウイルス対策: 接続時に自動でウイルスチェックを行う。
制御の徹底: 不審な外部記録媒体の接続をOSレベルで遮断する。
セキュリティパッチ: PCのOSやセキュリティソフトを常に最新の状態に保つ。
さらに、定期的なセキュリティチェックや従業員への注意喚起を徹底し、リスクを未然に防ぐ体制を整えることが重要です。
■ 外部記録媒体の安全な利用を実現する『Eye“247” Work Smart Cloud』

多くの企業では、USBメモリの利用禁止や申請制といったルールベースの管理が実施されています。しかし、この方法では業務が滞ったり、禁止を回避して隠れた利用が発生するなど、かえってリスクを高める場合があります。
本当に必要なのは、利便性を維持しつつもセキュリティを確保できる統合的なソリューションです。
その実現を支えるソリューションとして、『Eye“247” Work Smart Cloud』をご紹介します。
情報漏洩を未然に防ぐ、柔軟かつ強固なデバイス利用制御
『Eye“247” Work Smart Cloud』は、企業の情報セキュリティを強化するためのクラウド型ソリューションです。情報漏洩の主な経路である外部記録媒体の利用を、セキュリティポリシーに基づき物理的に制御します。これにより、人為的なミスや不正行為による情報持ち出しを未然に防ぎます。
USBデバイスの使用禁止・制御
管理者側で、USBメモリ、外付けHDD/SSD、SDカードリーダーなど、ドライブが割り当てられるデバイスを以下のいずれかに設定できます。
使用禁止: デバイスの接続自体を禁止します。
書込のみ禁止(読み込み許可): ファイルの書き込み(コピー)操作のみを禁止し、データの参照のみを許可します。
これにより、業務に必要なデータの参照は許可しつつ、情報流出リスクの高い「外部への書き出し」を組織全体でシャットアウトできます。
ホワイトリスト機能による例外設定
全デバイスを一律禁止するのではなく、事前に登録した特定のUSBデバイス(ホワイトリスト)のみを例外として利用許可・書込許可に設定できます。ハードウェアID(固有識別子)に基づいて許可するため、企業が承認した正規のデバイスのみが利用可能となり、私物デバイスの利用を排除します。
光学メディアのアクセス制御
USBメモリ以外にも、Windows Portable Device (WPD)として認識されるスマートフォンや、CD/DVD/BDなどの光学メディアに対するアクセスも個別に許可/禁止設定が可能です。あらゆる外部媒体からの情報流出リスクをカバーします。
不正持ち出しを徹底追跡:USB操作の監視と詳細ログ取得
制御によって不正を未然に防ぐだけでなく、万が一インシデントが発生した場合や、内部不正の兆候を見逃さないために、詳細な操作ログを取得します。
USB操作ログ
copy(USBデバイスへファイルコピー)・open(USBデバイスからファイルコピー)・arrival(USBデバイスの差込)・remove(USBデバイスの抜出)の4種類のUSB操作について、誰が、いつ、どのドライブで、どのファイルに対して行ったかを詳細に記録・監視します。
これにより、情報漏洩の有無を迅速に判断し、原因追跡に必要な証拠を確保できます。
USB書き込み時暗号化
USBデバイスへファイルを書き込む際に、強制的にパスワードを設定して圧縮・暗号化する機能も提供します。これにより、万が一デバイスが紛失・盗難に遭った場合でも、第三者によるデータアクセスを強固に防御します。
情報の保持状態を可視化し、リスクを先回り防止
情報漏洩リスクは、外部記録媒体への「持ち出し」行為だけでなく、PC内に機密情報や個人情報が不適切に保管されている状態にも潜んでいます。USBデバイスの使用禁止などの制御は有効ですが、実際にファイルをUSBへコピーしようとするまではリスクの兆候を捉えられないという課題があります。『Eye“247” Work Smart Cloud』は、この見落とされがちな不適切なデータ保持を可視化し、情報漏洩の「火種」を早期に排除します。
個人情報スキャン
PC端末をフルスキャンし、社員ごとの個人情報の保有状況を可視化する機能です。氏名、住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーなどの個人情報を含むファイルが保存されていないかをスキャンし、件数や削除されるまでの履歴も追跡できます。特に、個人情報を多く保持する社員は情報漏洩リスクが高まるため、早期把握と対策が重要です。
機密情報保持チェック
企業が指定したキーワード(例:プロジェクト名、開発コード、製品情報など)を含むファイルをPC内から検索・特定し、機密情報の保有数と保有者を表示します。企業秘密に該当するファイルが、本来保管すべきではないPCや、管理されていない共有フォルダに存在していないかを定期的にチェックすることで、内部統制の強化と情報漏洩の未然防止につなげます。
ファイル操作ログ
PC内でのファイル操作(作成、更新、削除、コピー、移動、ファイルを開く操作など)の詳細なログを取得・記録します。これにより、機密情報がいつ、誰によって、どのような操作を受けたかを追跡可能です。
このログ管理により、外部記録媒体へのコピー履歴(USB操作ログ)だけでなく、ファイルがPC内でどのように作成・編集されてきたかという履歴全体を把握でき、不正な操作があった際の原因究明を強力に支援します。
資産管理+ログ管理+制御を1つで実現
『Eye“247” Work Smart Cloud』は、USBデバイスの制御だけでなく、IT資産管理や利用ログの記録・分析、各種デバイスの一元管理も可能です。これにより、企業内の全ての外部記録媒体の利用状況を可視化し、不正利用や情報漏洩のリスクを未然に防ぐことができます。また、クラウド型サービスのため、拠点が分散している企業でも一括管理が容易です。セキュリティと利便性を両立した運用が実現できます。
\ Eye“247” Work Smart Cloud 製品資料はこちら /
■ まとめ:セキュリティと利便性を両立し、DXを加速させるために
外部記録媒体は、データの持ち運びやバックアップ、拡張性など多くのメリットを持つ一方で、紛失・盗難や不正利用、マルウェア感染などのリスクも存在します。企業が安全かつ効率的に外部記録媒体を活用するためには、適切な管理体制と最新のセキュリティ対策が不可欠です。
『Eye“247” Work Smart Cloud』のような統合管理ソリューションを活用することで、セキュリティと利便性の両立を実現し、外部記録媒体の利用リスクを根本から解消しながら、DXを加速させましょう。
この記事のポイント
|










