インターンシップの受け入れで失敗しない!企業が押さえるべき管理方法と実践ポイント
- FuvaBrain
- 8月5日
- 読了時間: 15分
更新日:2025年8月5日

少子高齢化が進む日本において、優秀な人材の確保は企業にとって重要な課題です。その中で注目されているのが、インターンシップの活用です。学生との早期接点を持つことで、企業理解や自社への関心を高め、将来の採用につなげる取り組みとして広がりを見せています。しかし、適切な受け入れや管理を行わなければ、トラブルや負担増につながるリスクもあります。
この記事では、インターンシップの基礎から受け入れ時の実践ポイント、ITツールを活用した管理方法まで、企業が押さえるべきノウハウをわかりやすく解説します。
目次
インターンシップの種類
インターンシップのアルバイトの違い
インターンシップの企業の目的
企業側がインターンシップを行うメリット・デメリット
1.受け入れ準備と社内体制の整備
2.目標設定と評価基準の選定
3.インターンシップ期間中の管理
4.終了後のフォローアップ
応募者不足
受け入れ体制の整備
プログラム内容や指導
業務内容の設計と『何をさせる』かの判断基準
担当者によるフォローとコミュニケーション体制
学生のモチベーション維持と成長促進の工夫
ツールを活用したトラブル防止・リスク管理
インターン生の管理にも『Eye“247” Work Smart Cloud』
内部不正やヒューマンエラーによる情報漏洩対策
インターン生の適切な労務管理
日報・月報作成支援
■インターン生とは
インターン生とは、企業で一定期間働くこと(インターンシップ)により、職業体験を積む大学生や大学院生ことを指します。企業にとっては、将来の採用候補との接点を持つ重要な機会となります。
インターンシップの種類
短期インターンシップ(1日〜2週間):主に職場見学や会社説明が中心です。
長期インターンシップ(1ヶ月〜半年以上):数か月間就業体験を積ませるプログラムです。
有償インターンシップ:インターン生に報酬が支払われる形式のインターンシップです。
無償インターンシップ:無報酬形式で経験を重視するインターンシップです。
上記の種類からさらに、夏インターンと秋インターンの時期で分けられます。特徴としては、夏インターンでは企業理解を深めることを目的とし、秋インターンでは本選考を見据えた選考を目的としています。
インターンシップとアルバイトの違い
インターンシップとアルバイトは、どちらも学生が働く経験を積むという共通点がありますが、内容や目的に明確な違いがあります。
インターンシップは教育・学習を目的としており、業務内容や指導体制が明確に設計されています。一方でアルバイトは即戦力としての労働が主で、教育的要素は少ない傾向にあります。
インターンシップの企業の目的
インターンシップを行う企業の目的は、主に採用活動の一環として優秀な学生との接点をつくることです。インターンシップを通じて企業を知ってもらい、実際の業務を体験することで入社後のミスマッチを減らし、インターン生の能力や適性を採用面接前に見極めることができます。
また、若い世代と一緒に仕事をすることで、社員の成長や若い世代の斬新なアイデアを事業に活かすこともできます。
企業側がインターンシップを行うメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
新たな人材の発掘が可能 | 受け入れにかかるコスト |
企業のブランディング向上 | 社員の負担増加 |
社員の指導力の向上 | 適切な管理が求められる |
■インターン生の管理方法・受け入れの流れ
インターンシップを受け入れる前には、しっかりとした準備が必要です。受け入れ計画を立て、担当者を選定することで、スムーズな運営が可能になります。受け入れ計画には、プログラムの内容やスケジュール、必要なリソースを明確にすることが含まれます。また、担当者は学生とのコミュニケーションを円滑に行う役割を担います。
これにより、インターンシップの目的を達成しやすくなります。
1.受け入れ準備と社内体制の整備
インターンシップ受け入れにあたっては、事前の社内準備が非常に重要です。目的を明確にしたうえで、受け入れ体制を整え、インターンシップの実施に向けた社内理解を深めておく必要があります。
受け入れ目的の明確化
インターンシップは単なる労働力の確保ではなく、将来的な採用活動や企業ブランディングに直結する重要な活動です。そのため、受け入れの目的を社内で明確に定義し、関係者間で共通認識を持つことが不可欠です。
以下に、よくある受け入れ目的の例を表にまとめます。
目的 | 内容の例 |
---|---|
採用活動の一環 | 優秀な学生との早期接点を図り、将来の採用候補として育成 |
教育・育成の機会提供 | 社員に対してマネジメントやOJTの経験機会を与える |
社会貢献・地域連携 | 地域の学生への実務経験の提供を通じた社会貢献活動 |
自社の魅力発信・ブランディング | SNSや口コミを通じたインターン生による企業の情報発信を期待 |
スケジュールの決定
インターンシップの選考対象や条件を決定することも重要です。
対象学生:学年や専攻を考慮する。
条件:応募資格や求めるスキルを明確にする。
スケジュール:インターンシップの実施期間や選考日程を設定する。
これにより、適切な学生を選びやすくなり、プログラムの成功に繋がります。
社内整備・担当者の選定
インターン生の受け入れには、社内体制の整備が不可欠です。指導担当者を定め、業務説明や教育計画を共有することで、スムーズな受け入れが可能になります。インターンシップの目的や期待する成果を明確にし、社内全体で共有することが重要です。
業務内容の整理
インターン生に任せる業務が明確でないと、現場の混乱やインターン生の不満につながります。インターン期間に対応可能な業務をリストアップし、実務と教育のバランスを意識して設計することが重要です。業務内容を文書化し、インターン生への説明資料としても活用することで、双方のミスマッチを防ぐことができます。
契約書の締結
インターンシップ中の情報漏洩やトラブルを防ぐため、誓約書や契約書を事前に取得しておきましょう。誓約書は、インターン生に心理的な義務感を抱かせ、情報管理の意識を高める効果も期待できます。
2.目標設定と評価基準の選定
インターンシップの具体的な目標を設定し、評価基準を事前にインターン生に伝えます。目標達成に向けたロードマップや成長フレームワークを提示することで、インターン生は自身の成長を可視化できます。評価基準を明確にすることで、インターン生は自身の行動を振り返りやすくなり、改善点を見つけやすくなります。
目標設定
インターンシップにおける目標設定は、「学生が何を達成すればよいのか」「企業としてどんな成果を期待しているのか」を可視化するプロセスです。 学生のスキルレベルに応じて目標設定をし、定期的に達成度の確認をできるようにしましょう。また、目標を共有・可視化しチーム内でもサポート体制を整えましょう。
評価基準
評価の基準は、事前にインターン生に伝えることが重要です。後出しでルールを追加したり、評価基準を変更したりすることは、インターン生の不信感を招きかねません。透明性の高いコミュニケーションを心がけ、インターン生が安心して業務に取り組める環境を整えましょう。
フィードバック方法
適切なフィードバックは、インターン生の成長を加速させ、企業側の指導効率も高めます。単なる「結果報告」ではなく、プロセスに対する評価と今後の改善点をセットで伝えることが重要です。
3.インターンシップ期間中の管理
インターンシップを円滑に進めるためには、日々の業務管理だけでなく、万が一のトラブルにも備える体制が欠かせません。学生は社会人経験が浅いため、想定外の行動やトラブルが発生する可能性もあります。ここでは、インターンシップ期間中のインターン生の管理と対応方法について解説します。
コミュニケーション体制
インターンシップ期間中は、定期的な面談やフィードバックを行い、インターン生の状況を把握します。不明な点や困っていることがあれば、いつでも相談できる環境を整えましょう。社員との積極的なコミュニケーションを促し、インターン生が会社の一員として馴染めるようにサポートします。
業務ログの記録
スケジュール管理ツールやタスク管理ツールを活用することで、インターン生の業務効率を向上させることができます。個人だけでなく、チーム全体の進捗状況を把握し、必要に応じてサポートを提供しましょう。振り返りや優先順位付けを意識することで、インターン生の成長を促進できます。
トラブル対応
トラブルは未然に防ぐことが理想ですが、実際には発生する可能性も十分にあります。以下はよくあるトラブルをまとめた一覧表です。
トラブルの種類 | 例 |
---|---|
情報漏洩 | 社内資料を無断で外部に持ち出してしまった |
勤怠・態度の不備 | 遅刻・無断欠勤・報連相不足 |
ハラスメントの懸念 | 社員・学生間での言動によるトラブル |
成果が出ない/業務が合わない | 学生が業務に意欲を持てずモチベーション低下 |
事前説明や記録を残すことの徹底、相談しやすい環境づくりで、トラブルを未然に防ぎましょう。
4.終了後のフォローアップ
インターンシップ終了後も、インターン生との良好な関係を維持することが重要です。感謝の気持ちを伝え、今後のキャリアに関する情報提供やアドバイスを行います。インターンシップで得た経験が、インターン生のキャリア形成にどのように活かされるかをヒアリングすることも有効です。
振り返りの実施
インターンシップ終了時には、学生と企業双方での「振り返り」を行うことで、学びを明確にし、改善点を把握することができます。振り返りを通じて、今後のインターンプログラムの改善にもつながり、受け入れ体制のブラッシュアップが可能になります。
将来の関係構築
インターン終了後の関係維持は、将来の採用にも大きく影響します。単発の関係で終わらせず、企業との良好な関係性を継続することで、優秀な人材の囲い込みや採用にもつながります。
終了後のフォローアップを丁寧に行うことで、インターンシップは単なる「体験」にとどまらず、企業と学生双方にとって「成果あるつながり」へと進化させることができます。
プログラム改善
インターンシップは継続的に実施されるため、定期的にプログラムの見直しと改善を行いましょう。参加者や社員からのフィードバックを収集し、プログラム内容や運営方法を改善することで、より効果的なインターンシップを実現できます。
■インターンシップに関する企業の悩み
インターンシップの導入は、将来的な採用や企業ブランディングにおいて大きなメリットをもたらしますが、その一方で、現場や人事担当者が抱える悩みも少なくありません。特に中小企業では、受け入れ体制や評価方法が整っていないケースも多く、せっかくの取り組みが失敗に終わってしまうこともあります。
ここでは、企業が直面しがちな代表的な悩みと、それに対する簡易的な対策をまとめました。
応募者不足
インターンシップの募集をかけても、なかなか応募が集まらないという悩みがあります。求人サイトへの掲載、SNSの活用、大学のキャリアセンターと連携するなどの方法をとり、広報活動を強化していきましょう。
受け入れ体制の整備
準備不足で現場が混乱するケースもあります。
指導担当者の選定や、教育マニュアル・業務内容の整備が不十分なため、現場が混乱したり、既存社員の負担が増えたりします。
社内マニュアルや教育資料の整備、担当者の研修が事前に必要になります。
プログラム内容や指導
インターンシップをはじめると、「どんな成果を求めるべきかが曖昧」といった声が多いです。インターンシップの目的を明確化し、インターンシップの開催前にすり合わせることが重要です。
また、多くの企業が優秀な学生を早期より囲うために、インターンシップを行いますが、短期間では学生のポテンシャルを測りづらいため、評価軸を事前に設定し、プロセスも含めた評価を行いましょう。
社会人ではなく学生を相手にすることを念頭に入れ、情報漏洩、勤務態度、パワハラなどへのリスク対応策を用意するのも重要です。ルールの明示と指導体制の整備をしっかり行いましょう。
■インターンシップの運用・管理を成功させる実践ポイント

インターンシップの運用・管理を成功させるためには、いくつかの実践ポイントがあります。業務内容の設計や担当者によるフォロー、学生のモチベーション維持などが重要です。これらを意識することで、インターン生の成長を促し、企業にとっても有益な経験を提供することができます。
業務内容の設計と『何をさせる』かの判断基準
業務内容の設計は、インターンシップの成功に直結します。
学生にとって有意義な実務経験を積めるよう、業務内容は安易な雑務ではなく、実際の業務の一部を担えるように設計する必要があります。学生のスキル向上を意識した業務を選定することで、成長実感を持たせるとともに、企業に対する好印象にもつながります。
担当者によるフォローとコミュニケーション体制
インターンシップを成功させるためには、継続的なコミュニケーションと支援体制の構築が不可欠です。定期的な面談やフィードバックを実施し、インターン生の進捗状況や悩みを丁寧にヒアリングすることで、早期に課題を把握し適切な対応が可能になります。
また、業務に行き詰まった際などには、必要に応じたサポート体制を用意し、心理的な安心感と実務面での支援を提供することが、インターン生の成長とモチベーション維持につながります。
学生のモチベーション維持と成長促進の工夫
インターンシップの効果を最大化するには、インターン生が自らの成長を実感できる仕組みを整えることが重要です。
具体的な目標設定を行い、インターン期間中に達成すべきゴールを明確にすることで、日々の業務に取り組む動機づけとなり、達成感を得られるようになります。次に、定期的な評価制度を設け、取り組みや成果に対して適切にフィードバックを行うことで、努力が正当に評価される環境をつくります。
これらの取り組みによって、将来の採用にもつながる有意義なプログラムとなります。
ツールを活用したトラブル防止・リスク管理
インターンシップ期間中の不適切な行動や情報管理ミスを防ぐには、ITツールによるモニタリングや自動化が効果的です。
たとえば、PC操作ログ監視ツールは、アクセス履歴や業務ログの可視化により、インターン生の不正操作の早期発見や作業証跡の確保に役立てることができます。
また、スケジュール管理ツールを活用することで、業務進行とスケジュールを可視化することができ、タスクの抜け漏れを防止できます。
その他、トラブルが発生した場合に備え、あらかじめ対応策を社内で共有しておくことで、リスク管理を強化することが可能です。これらにより、インターンシップの円滑な運営が可能になります。
■インターン生の管理にも『Eye“247” Work Smart Cloud』
『Eye“247” Work Smart Cloud』は、インターン生の業務状況を可視化できるPC操作ログ管理ツールです。インターン生が業務に慣れているか、また勤務時間内にしっかり働いているかを確認できます。これにより、企業はインターン生のパフォーマンスを把握しやすくなり、適切なサポートを提供することができます。
内部不正やヒューマンエラーによる情報漏洩対策
インターン生の管理においては、情報漏洩対策が重要です。『Eye“247” Work Smart Cloud』では、日常的な分析や運用で、情報漏洩リスクを可視化することができます。
PCの操作履歴、アプリの起動履歴、ファイルの操作履歴を記録し分析することで、業務時間の異常な操作やパターンを検出することができ、情報漏洩や不正の兆候を早期に発見することが可能です。
また、万が一インシデントが発生した際にも、調査支援や証跡としての活用ができます。
インターン生の適切な労務管理
『Eye“247” Work Smart Cloud』では、インターン生の適切な勤怠管理が可能です。
PCログデータの取得により、高い評価を得たいがために、勤務時間外に作業をしてしまう行為を早期発見できます。
また、業務内容の可視化により「いつ、だれが、どのような」業務内容を行っているのかを確認できます。そのため、勤務時間内のサボりを防ぐこともできます。
日報・月報作成支援
日報・月報機能が、インターン生とのコミュニケーションに活用できます。
『Eye“247” Work Smart Cloud』の日報・月報ではパソコンの利用時間、作業内容、スケジュールがインターン生と管理者が確認できます。取得したデータは、インターン生が自身の業務を振り返ることに活用でき、管理者はインターン生の正しい評価や正しい指導に活用することができます。
■まとめ:インターンシップ成功の鍵は事前準備と継続的な改善
企業がインターンシップで成果を上げるには、受け入れ準備・管理体制・フォローアップの3本柱が欠かせません。目的と評価を明確にし、透明性の高い運営を実現することで、学生との良好な関係構築と採用効果の最大化が可能になります。
また、ITツールの活用により管理効率と精度を高め、社内負担を軽減することもポイントです。
この記事のポイント
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